なぜ維持されているのかといえば、それを支持するお客様がいらっしゃるからです。SIer は、お客様が望むものを提供します。なぜ支持するかといえば、ある種の合理性があるためでしょう。現時点での私の結論は、「(お客様による)システム開発の丸投げ要求と相性がいい」です。
単純化していえば、多くのお客様(IT利用の発注者)にとって、未だに経営と IT は別物なのです。IT は必要だが、どちらかとえば消極的必要性。経理業務を中心に、手書きの文書がワープロ化され、電話がメールに代わった。情報収集ツールとしての Web は便利だが、一方で社内情報の流出という危険性もある。これらをお守りするために社内に IT 部門を抱えているが基本的には保守業務中心であり、安定運用こそが命題。新システム開発といっても社内の業務フローを変えるとなると抵抗が激しいので、できるだけ穏便に進めてほしい。しかもそのために IT 部門の人員を増やすことはできないので、勢い開発は外注主体で SIer に丸投げとなる。発注側(お客様)でもシステムの仕様を決めることは難しいので、一次請けの SIer のみを窓口とし、おおまかな仕様を伝えてあとはお任せ。出来上がった新システムを使ってはじめて業務フローの改善の必要性を関係者が痛感するも、後の祭り。使えないと嘆きつつも投資回収のため運用側に負荷をかけ、それでいて IT は結局、役に立たないものだと評価を下げる。
つきつめるとお客様の経営層が望んだ結果なのです。”IT の活用” という言葉が、具体的に自社の経営戦略と重ならないことこそが問題の本質です。それを直視せずして今またクラウドだ、ソーシャルだ、スマートフォンだという時流に乗っても、うまく活用できないのではないかと懸念します。
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